今回は生理物質の生理と病証についてまとめました。だんだんとなじみのない言葉が出てきて難しくなって来ています。
東洋医学はイメージが、大事です‼️
☆生理物質の生理と病証
*生理物質を陰陽に分けると陰は血・津液・精、陽は気に分類されます。
●精の生理と病証
*精:人体の構成や生命活動を維持する最も基本的物質
*精には父母から受け継いだ先天の精と飲食物を摂取して得られる後天の精(水穀の精)がある
*精は腎に貯えられる
*精の作用には生殖・滋養・血への化生・気への化生・神の維持がある
*精が不足した病証を精虚(腎精不足)という
*精虚には発育不良・不妊・耳鳴り(難聴)・健忘・虚労・早老・白髪・脱毛・歯や骨の軟弱化・尿漏れがある
*精は腎に貯えられる
*精の作用には生殖・滋養・血への化生・気への化生・神の維持がある
*精が不足した病証を精虚(腎精不足)という
*精虚には発育不良・不妊・耳鳴り(難聴)・健忘・虚労・早老・白髪・脱毛・歯や骨の軟弱化・尿漏れがある
●気の生理と病証
*気:人体を構成し生理活動の原動力となる
*気には先天の精から化生された原気と後天の精から化生された宗気・営気・衛気がある
*気の作用には温煦作用・固摂作用・防御作用・気化作用がある
*気の虚証には気の不足による気虚と、気虚+気の上昇不能による気陥と、気虚が極限までに悪化した気脱がある
*気の実証には気の滞りによる気鬱・気滞と、気の上昇運動過度・下降運動不十分による気逆がある
⁑気*気の作用には温煦作用・固摂作用・防御作用・気化作用がある
*気の虚証には気の不足による気虚と、気虚+気の上昇不能による気陥と、気虚が極限までに悪化した気脱がある
*気の実証には気の滞りによる気鬱・気滞と、気の上昇運動過度・下降運動不十分による気逆がある
先天の気:腎の先天の精から化生した気
生命活動の原動力となり、組織・器官の機能を十分に発揮させる
後天の気:後天の精から化生した気
飲食物から得られる
原気(元気):人体最も根本的な気
生命活動の原動力
先天の精から化生され三焦を通って全身に分布する
臍下丹田に集まる
宗気:水穀の精微(栄養)と精気(酸素)によって化生された気
胸中に集まり、心肺の活動を支える(呼吸・血の運行を促進する)
営気:組織・器官の活動を支える気
津液を血に変化させる
豊かな栄養分を持ち、血の一部として脈中に入り全身を巡る
衛気:体表(昼)と体内(夜)を巡る活動性の高い気
活動性が高く動きが速く、外邪の侵入を防ぐ
全身を温め養い腠理を(防衛・発汗調節)する
⁑気の作用
推動作用:成長・臓腑の生理機能を促進する作用
血や津液を巡らせる(行血・行津)
温煦作用:臓腑や器官などの組織を温め体温を保持する作用
防御作用:体表を保護し外邪の侵入を防ぐ作用
固摂作用:生理物質を流失するのを防ぐ作用
血や津液を固摂する(摂血・摂津)
気化作用:気から生理物質に変化させる作用
排泄物を生成する作用
血や津液を生み出し(生血・生津)
⁑気の病証
虚証
気虚:飲食物の摂取不足、大病や過労、気の化生に関わる心・脾・肺・腎の失調
元気の消耗(エネルギー不足)、臓腑機能低下、抵抗力の減退
推動無力:倦怠感・無力感(元気不足)、息切れ・懶言(宗気不足)
脈弱無力、めまい、易感冒
固摂低下:自汗
その他:嗜眠、舌質淡
気陥:気虚のために昇挙無力となり下陥する
気虚→気陥
↓
脱肛
子宮脱
臓器の下垂
気脱:気虚が悪化した病態
実証
気鬱(気滞):気の阻害・気の運行障害によっておこる
気は動きやすいため増悪・緩解を繰り返し不安定となりやすい
気の滞り
気体が停滞しているイメージ
張る・張って痛む
・胸で気が滞る:胸悶、胸脇部痛
・腹で気が滞る:腹部膨満感
・気分が滞る:抑うつ感
※噯気(げっぷ)と失気(おなら)により軽減する気
気逆:気の昇降失調により臓腑の気が逆上する
・肺(肺気上逆):咳嗽・喘息
・胃(胃気上逆):悪心・嘔吐・噯気(げっぷ)・吃逆(しゃっくり)
・肝(肝気上逆):易怒・頭痛
●血の生理と病証
*血:血脈中を流れる赤色の体液で豊富な栄養分を有し全身を滋養する
*血の作用には滋養と神の維持がある
*血の虚証には血の不足による血虚がある
*血の実証には血の運行失調による血瘀と熱の影響を受けた血熱がある
*血の虚証には血の不足による血虚がある
*血の実証には血の運行失調による血瘀と熱の影響を受けた血熱がある
⁑血の病証
虚証 血虚:血の不足(貧血)
色々なところで血の滋養が不足している
めまい・顔面蒼白・動機・不眠・健忘・しびれ・けいれん
目のかすみ・視力減退・爪の変形・経色淡泊・経少・月経痛・脈細
血瘀:血液運行が緩慢になったり、停滞して起こる病態
血行が悪い
色々なところで血が滞っている
痛み:刺痛・固定痛
腫塊:固定性
出血:血色紫暗・血塊が混入
望診:青紫・瘀斑(顔・唇・爪が青紫色、舌質紫暗、瘀点)
血熱:熱が血分に影響している病態
肺絡損傷:喀血
胃絡損傷:吐血
膀胱絡損傷:血尿
その他:発熱・五心火熱・盗汗・口渇・不眠
皮膚症状→発赤・発疹・かゆみ
精神不安
●津液の生理と病証
*津液:体内における正常な水液の総称で全身を潤し養っている
*津液の作用には滋潤・濡養、血脈を満たす
*津はさらさらした体液(汗・涙・尿など)
*液は粘りのある体液(骨髄・粘液)
*津はさらさらした体液(汗・涙・尿など)
*液は粘りのある体液(骨髄・粘液)
⁑津液の病証
虚証
津液不足:乾燥している
生成不足
消耗過多
・口唇や咽喉などの渇き
・皮ふや髪などの乾燥
・乾燥便や尿量減少
実証
痰湿(津液の停滞):津液の輸送障害や排泄障害により起こる病態
津液の停滞
↓
湿・水:浮腫・下痢・身重感
↓
飲:腹鳴・動悸・喘息・浮腫
↓
痰:咳嗽・多痰・動悸・不眠・めまい・意識障害・精神障害
☆参考文献
リンク
鍼灸学校に入学する前に購入して読んだ本です。漢字や言葉の意味が分からず読むのが大変でした。だけど学校に入学し東洋医学概論を学ぶことにより、少し読めるようになりました。そして授業の内容がわかりやすくまとめられていることがわかりました。本当に表紙にある「システマチックな考え方を講義形式でかんたんマスター」になっていました。
リンク
オールカラーで読みやすいです。「東洋医学とは何か」という独学で東洋医学を学ぼうと考えている人には入門書としてはとても良いです。もちろん、鍼灸師学生の授業の参考書としても役に立ちます。
以上、生理物質の生理と病証をまとめでした。
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