☆中枢神経とは
中枢神経には脳と脊髄で構成されている。
脳脊髄には3層の髄膜に被われ保護されている。
髄膜━①硬膜:頭蓋骨の内面でもっとも外側の膜
(硬膜とクモ膜の間で出血が起こると硬膜下出血)
②クモ膜:硬膜と軟膜の間にある膜
(クモ膜と軟膜の間で出血が起こるとクモ膜下出血)
③軟膜:脳を直接包む半透明の膜
脳には大脳・脳幹(間脳・中脳・橋・延髄)・小脳に分けられる。
☆大脳の構造と機能
□ 大脳は脳の大部分を占め、左右の半球からなっている。
□ 大脳の表面は大脳皮質と呼ばれる神経細胞の集まる厚さ数㎜の灰白色で覆われていている。
□ 大脳皮質の下には神経線維の集まる白質があり、さらにその内部に大脳基底核という灰白質のかたまりがある。
□ 大脳半球には前頭葉・頭頂葉・側頭葉・後頭葉の4葉に分けられる。
●大脳皮質
□ 身体の運動を指令する運動野は前頭葉(中心前回)にある。
□ 身体の感覚をつかさどる体性感覚野は頭頂葉(中心後回)にある。
□ 味覚野は頭頂葉にある。
□ 聴覚野は側頭葉にある。
□ 嗅覚野は側頭葉にある。
□ 視覚野は後頭葉にある。
□ 連合野は感覚と運動の連絡や統合を行っている。
□ 左半球が言語優位である。
運動野 |
一次運動野 |
前頭葉の中心前回 |
|
感覚野 |
体性感覚野 |
頭頂葉の中心後回 |
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味覚野 |
頭頂葉 |
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聴覚野 |
側頭葉 |
||
嗅覚野 |
側頭葉 |
||
視覚野 |
後頭葉 |
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連合野 |
言語機能 |
運動言語中枢 (ブローカー野) |
前頭葉(言葉を話す) |
感覚性言語中枢 (ウェルニッケ野) |
側頭葉(言葉を理解) |
||
高次脳機能 |
学習・記憶 感覚記憶(1~数秒) 短期記憶(数秒~数分) 長期記憶(数分~一生) 意識・注意・覚醒・睡眠:上行性網様体族賦活系 知能・判断・思考・創造性:大脳皮質前頭葉の連合野 |
・脳の中心溝を挟んで前後の前頭葉(中心前回)と頭頂葉(中心後回)、運動野と体制感覚野
・味覚は頭の天辺まで味が伝わる感じ
・耳は横についているから側頭葉、ついでに鼻もつながっている(耳鼻科は側頭葉)
・視覚の目は前にあるのに脳では後ろで見るから後頭葉
・ブローカ野は言葉を話すよ。ここが障害されると言葉は理解しているけど話せない。(言葉がブロックされるよ)
・ウェルニッケ野は言葉を理解するよ。ここが障害されると言葉は話すけど何言っているかわからないよ。
ブローカとウェルニッケどちらか一つ覚えればいいよ‼
●大脳辺縁系
□ 本能行動の調節:視床下部の本能行動の発現を調節する
□ 記憶:主に海馬が関与する
□ 情動行動の発現と動機付け:偏桃体が情動・不安・恐れに関与する
□ 自律機能の統合:視床下部と強調する
●大脳基底核
□ 大脳髄質(白質)にある錐体外路系の運動中枢で尾状核・レンズ核(被殻・淡蒼球)・前障・偏桃体からなる(視床下核・赤核・黒質を含めることがある)。
□ 運動の調節:発現と遂行に関与する
姿勢の制御
運動の円滑化
☆脳幹の機能と構造
□ 脳幹は中脳・橋・延髄からなる
□ 生命維持に重要な自律機能を調節する中枢がある
□ 生命維持に重要な中枢には循環中枢・呼吸中枢・嘔吐中枢・嚥下中枢・唾液分泌中枢・排尿中枢などがある
□ 中脳にはⅢ・Ⅳの神経核が存在し姿勢反射・対光反射・眼球運動などの反射が統合される
□ 橋にはⅤ~Ⅷの神経核が存在する
□ 延髄にはⅨ~Ⅻの神経核が存在し、呼吸や血圧を調整する反射、嚥下・嘔吐などの反射が統合される
中脳:姿勢反射(身体の平衡・姿勢の調整)
対光反射
眼球運動
橋:排尿中枢(腰髄・仙髄の協調)
延髄:循環中枢・呼吸中枢・嘔吐中枢・嚥下中枢・唾液分泌中枢
*覚え方のコツ
□ 延髄の中枢:循環中枢・呼吸中枢・嘔吐中枢・嚥下中枢・唾液分泌中枢(順子応援だ)
☆小脳の構造と機能
□ 橋と延髄の背面と大脳の後下面にある
□ 小脳は身体の平衡・姿勢の保持、協調運動の調節、熟練した運動の記憶と学習
☆間脳の構造と機能
□ 間脳は視床と視床下部があり、視床は間脳の大部分を占める
□ 視床は感覚性の神経線維を大脳皮質の感覚野に中継したり、運動野への投射により姿勢や運動を制御、意識や情動にも関与する
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